
流氷の誕生網走は北緯44度に位置しています。オホーツク沿岸は、世界で最も南の”凍る海”です。
その秘密は、中国とロシアの間を流れるアムール川と、オホーツク海のしくみにあります。
石狩川の17倍の長さをもつアムール川は膨大な量の水を、オホツク海に注ぎます。
オホーツク海は、大陸と多くの島々に囲まれているため、アムール川の水が外洋に逃げ
にくい閉じた海です。アムール川から注ぐ真水は、約3.3%の塩分を含む海水よりも軽い
ので、オホーツク海の表面に広がります。そのためオホーツク海の海水は、上の方の塩
分の少ない層と、下の塩分の多い層に分かれ、対流現象が塩分の少ない上の層だけに
起こるため、たちまち表面の海水の温度は下がり、凍りはじめて流氷が生まれるのです。
突き刺すようなシベリアの寒気の中で生まれた流氷は、風に吹かれ、海流に乗って南へ
南へと下り、しだいに成長しながら、やがて巨大な流氷帯となってオホーツク海沿岸に押
し寄せます。
流氷のメカニズムじつは氷は海の表面ばかりでなく、海の中でもつくられています。
お風呂をわかしていくと、上のほうの温かい水と下の冷たい水の層ができ、全体がゆっく
りと回りはじめます。つまり対流がおこります。水を冷やしていくときも同じです。ところが、
水は4度以下になると、対流が止まる性質を持っているため、気温が下がり、表面に氷が
できても、水の中の温度は一定に保たれます。ところが、海水は塩分が混じっているため
凍りはじめる温度になっても対流は止まらず、冷やされた海水はどんどん下におりていき
ます。そのため、海面ばかりでなく、海水全体が凍る温度まで下がり、海中でも氷ができ
ていきます。
勿論、はじめから大きな氷ができるわけではありません。まず、「氷晶」という小さな赤ちゃ
んが海水の中に沢山できます。その氷晶が集まってしだいに氷となり、流氷ができていく
のです。
氷原の動物たち流氷とともに、北の海からさまざまな動物たちがやってきます。流氷の上で群れをなして昼
ねをしているのは、アザラシです。アザラシは、流氷とともに現われ、氷の上で子供を産み
育てて、流氷とともに北の海に去っていきます。シャチなどの敵がいない流氷の上は、アザ
ラシにとってもっとも安全なゆりかごなのです。
海獣ばかりではありません。オジロワシやオオワシなど、流氷とともにやってくる鳥たちの
ほか、キタキツネ、シカなどの動物が流氷に乗ってやってくることもあります。
網走観光振興公社発行「網走 流氷まめ知識」より <<<前ページ